今回は、細字楷書の「字形の整え方」の方法の一つとして、画の間隔に焦点を当てて紹介していきます。
実用書道の初心者が練習でお手本そっくりに書こうとするとき、お手本の字の分析は欠かせないことですが、その分析の視点としてお手本の画の間隔がどうなっているのかをよく見ることも大事なことです。
この記事のポイントは、
- 3本以上の縦画や横画が並ぶ場合は、平行等間隔で書くと整う
- 等間隔に見えて、そうでない字もある
- 左払いが複数並ぶ場合は、放射形に書くと単調さを避けられる
です。
実用書道初心者の方は、字形の整え方の一つとして覚えておくと、より安定した字を書けるようになるかもしれません。
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賞状技法士3級の通信講座を受講中のわっしーです。 賞状を書くお仕事を目指して、毎日細字の楷書の練習をしています。 この記事では、「このままではなかなか上達することはできないのではないか」と焦り始めた私が、 お手本を[…]
細字の楷書は「平行等間隔」で字形を整える
まずは、字形を整える方法としてもっとも基本的な「平行等間隔」について見ていきます。
3本以上の縦画や横画が並ぶ場合、平行にそして等間隔に書くと、字が綺麗に整って見えます。
例をあげて見ていきます。
「等間隔」に見えて「等間隔」ではない字もある
3本以上の縦画や横画が並んでいても、必ず等間隔であるというわけではありません。
なんとなく見ていると平行等間隔に見える字でも、そうでない場合があります。
単調に見えるのを防いだり、空間のバランスをとるために等間隔になっていない場合があるのです。
例をあげて見てみます。
「放射形」で字形を整える
続いて、「放射形」で字形を整える方法を見ていきます。
左払いが複数並ぶ場合は、ほんの少し放射形に書くと単調さを避けられ、美しく整った字に見えます。
またそれ以外にも、戈法(右下に引き下ろして跳ね上げる画)が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合も、微妙に放射形に書いてバランスをとることがあります。
【放射形で字形を整えるのはどんな時?】
- 左払いが複数並ぶ場合
- 戈法が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合
- その他
それぞれの例を見ていきます。
左払いが複数並ぶ場合
左払いが複数並ぶ場合の字形の整え方を見ていきます。
戈法が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合
戈法(右下に引き下ろして跳ね上げる画)が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合の字形の整え方を見ていきます。
その他
他にも、放射形で書いて字形を整える字があります。
まとめ
今回は、細字楷書の字形の整え方の方法の一つとして、「間隔」に焦点を当てて紹介しました。
【今回のポイント】
- 3本以上の縦画や横画が並ぶ場合は、平行等間隔で書くと整う
- 等間隔に見えて、そうでない字もある
- 左払いが複数並ぶ場合は、放射形に書くと単調さを避けられる
字形に対する見方の引き出しが増えていけば、お手本を見て練習するときの分析に役立ちますし、気をつけるべき点を頭に入れて思い出しながら書くことができるので上達につながります。
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