【初心者必見】平行等間隔だけではない細字楷書の「字形の整え方」間隔編

細字楷書上達「字形の整え方」間隔編

今回は、細字楷書の「字形の整え方」の方法の一つとして、画の間隔に焦点を当てて紹介していきます。

実用書道の初心者が練習でお手本そっくりに書こうとするとき、お手本の字の分析は欠かせないことですが、その分析の視点としてお手本の画の間隔がどうなっているのかをよく見ることも大事なことです。

この記事のポイントは、

  • 3本以上の縦画や横画が並ぶ場合は、平行等間隔で書くと整う
  • 等間隔に見えて、そうでない字もある
  • 左払いが複数並ぶ場合は、放射形に書くと単調さを避けられる

です。

実用書道初心者の方は、字形の整え方の一つとして覚えておくと、より安定した字を書けるようになるかもしれません。

わっしー
字形の整え方がわからない方、細字の楷書を上達させたい方はぜひ参考にしてみてください

 

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細字の楷書は「平行等間隔」で字形を整える

細字の楷書上達!平行等間隔で字形を整える

 

まずは、字形を整える方法としてもっとも基本的な「平行等間隔」について見ていきます。

3本以上の縦画や横画が並ぶ場合、平行にそして等間隔に書くと、字が綺麗に整って見えます。

 

例をあげて見ていきます。

細字楷書上達!字形の整え方「目」
「目」という字は、4本の横画が並んでおり、平行等間隔になっています。
細字楷書上達!字形の整え方「冊」
「冊」という字は、4本の縦画が並んでおり、平行等間隔になっています。
細字楷書上達!字形の整え方「月」
「月」という字は、3本の横画が並んでおり、平行等間隔になっています。
細字楷書上達!字形の整え方「馬」
「馬」という字は、4本の横画が並んでおり、平行等間隔になっています。
細字楷書上達!字形の整え方「進」
「進」という字は、「隹」に4本の横画が並んでおり、平行等間隔になっています。
初心者のうちは、ただ一つの線を綺麗に書くことも難しいので、複数の線を平行に書くことも難しいですし、等間隔に書くことも難しいです。
ですが逆に、線質がまだ頼りなかったとしても、この平行等間隔をしっかり守って書くことができれば、一段と字形が綺麗に整って見えるはずです。

 

「等間隔」に見えて「等間隔」ではない字もある

細字の楷書上達!等間隔に見えて等間隔じゃない字形の整え方

 

3本以上の縦画や横画が並んでいても、必ず等間隔であるというわけではありません。

なんとなく見ていると平行等間隔に見える字でも、そうでない場合があります。

単調に見えるのを防いだり、空間のバランスをとるために等間隔になっていない場合があるのです。

 

例をあげて見てみます。

細字楷書上達!字形の整え方「佳」
「佳」という字の「圭」の部分は「土」が2つあり上下に並んでいますが、下の「土」の方が少し大きめに書かれているため、4本の横画は等間隔になっていません。
細字楷書上達!字形の整え方「無」
「無」という字は、3本の横画が並んでおり一見すると平行等間隔に見えますが、上の空間を少し広くとっています。それにより、縦画の始筆でとられるスペースと終筆でとられるスペースのバランスをとっているようです。

 

「放射形」で字形を整える

細字の楷書上達!放射形で字形を整える

 

続いて、「放射形」で字形を整える方法を見ていきます。

左払いが複数並ぶ場合は、ほんの少し放射形に書くと単調さを避けられ、美しく整った字に見えます。

またそれ以外にも、戈法(右下に引き下ろして跳ね上げる画)が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合も、微妙に放射形に書いてバランスをとることがあります。

 

【放射形で字形を整えるのはどんな時?】

  • 左払いが複数並ぶ場合
  • 戈法が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合
  • その他

 

それぞれの例を見ていきます。

 

左払いが複数並ぶ場合

左払いが複数並ぶ場合の字形の整え方を見ていきます。

細字楷書上達!字形の整え方「行」
「行」という字のぎょう人偏は、一画目と二画目の左払いを少し放射形に書くことで字形が整います。
細字楷書上達!字形の整え方「猛」
「猛」という字のけもの偏は、一画目と三画目の左払いを少し放射形に書くことで字形が整います。
細字楷書上達!字形の整え方「物」放射形
「物」という字の「勿」の部分は、3本の左払いが並んでおり、少し放射形に書くことで字形が整います。
細字楷書上達!字形の整え方「家」放射形
「家」という字は、五画目、七画目、八画目に左払いが並んでおり、少し放射形に書くことで字形が整います。
細字楷書上達!字形の整え方「参」放射形
「参」という字は、最後の六、七、八画目に左払いが並んでおり、少し放射形に書くことで字形が整います。
細字楷書上達!字形の整え方「彰」放射形
「彰」という字のさんづくりは左払いが並んでおり、少し放射形に書くことで字形が整います。

戈法が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合

戈法(右下に引き下ろして跳ね上げる画)が含まれる字で3本以上の横画が並ぶ場合の字形の整え方を見ていきます。

細字楷書上達!字形の整え方「民」放射形
「民」という字は、戈法が使われていることによって四画目の横画の右上がり度合いを強くするだけでなく、3本の横画を放射形に開くことでバランスがとれ、字形が整います。
細字楷書上達!字形の整え方「桟」放射形
「桟」という字は、戈法が使われていることによって七画目の横画の右上がり度合いを強くするだけでなく、並んだ3本の横画を放射形に開くことでバランスがとれ、字形が整います。

その他

他にも、放射形で書いて字形を整える字があります。

細字楷書上達!字形の整え方「為」放射形
「為」という字は、三、四、五画目に横画が並んでおり、二画目の左払いとのバランスをとるように三画目の横画の右上がり度合いが大きく、四、五画目は放射形で書くことで字形が整います。

まとめ

 

今回は、細字楷書の字形の整え方の方法の一つとして、「間隔」に焦点を当てて紹介しました。

【今回のポイント】

  • 3本以上の縦画や横画が並ぶ場合は、平行等間隔で書くと整う
  • 等間隔に見えて、そうでない字もある
  • 左払いが複数並ぶ場合は、放射形に書くと単調さを避けられる

 

字形に対する見方の引き出しが増えていけば、お手本を見て練習するときの分析に役立ちますし、気をつけるべき点を頭に入れて思い出しながら書くことができるので上達につながります。

わっしー
ぜひ参考にしてみてください!

 

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